海外FXの気になる税金・確定申告とは?
▼目次
海外FXで最も気になるポイントって?
よく見かける質問の一つに「海外FXなら儲けた利益に税金かからず確定申告不要ですか?」というものがありますが、 そんなことはありません! 海外FXであっても利益には税金がかかるので確定申告が必要なのです。どんな時にどれくらいの税金が必要になるかをまとめました。
利益になった時に誰もが気になるのが税金です。投資を始める前に知っておいて節税に務める事も出来るかもしれません。それでは簡単にではありますが解説していきます。
いくら利益がでたら確定申告をしないといけない?
日中はお勤め、副業としてトレードされている方(給与所得者)なら、利益が20万(年間)以上の場合、それ以外の方(専業のかた、主婦学生など)は利益が38万(年間)以上の場合。年末時点で左記条件を満たした場合は、確定申告が必要となります。
毎年、年末時点で上記額以上の利益があったら忘れずに確定申告を行いましょう。なお海外FXではボーナスと称して入金額やトレード量に応じたボーナス付与があります。これも利益と扱われますのでご注意ください。
国内FXと海外FXの税制の違いについて
国内FXと海外FXとでは、手に入れた利益額にかかる税率が異なります。つまり適応される税制度が異なるのです。
海外FXの税率は総合課税(雑所得)が適応され、国内FXの税率は申告分離課税が適応されます。
なにが違うの?
総合課税(雑所得)と申告分離課税の違い、特に海外FXでの税金に絞ったポイントとしては
① 利益の一定額までは海外FXのほうが税金が少ない。以降は海外FXが不利。
② 海外FXでは損失繰越ができない。国内FXでは損失繰越可能。
この2点が大きく異なります、よく理解しておいてください。
上記を例にとると、利益額が赤線までなら海外FXのほうが税金は少なくて済むのです。一方、それ以上の利益が出た場合は海外FXは国内FXより多くの税金を納める必要があります。確定申告に於いてはこの点を踏まえて申告してください。
海外FXでの注意点「損益通算・損失の繰り越し」
損失の繰り越しとは、過去年度の損失を考慮して該当年度の税金を算出できる制度です。これは国内FXが適応している申告分分離課税に於いて適応できるものであって、海外FXに適応されている総合課税には適応されません。
昨年のFX収益をマイナス50万で申告されていた場合、本年の利益が100万であっても、(100万-50万)=50万が本年の課税対象所得となります。つまり過去の損失分を考慮して本年の課税対象所得を、つまり納税額を算出することができるのです。
ただし、海外FXに適応さえている総合課税には本「損失繰越」という制度は存在しません。国内FXならではのメリットになります。国内FX口座では可能であった繰り越しは海外FXでは適応されません。海外FXでは複数年に渡って損失の繰り越し・損益通算はできないので、毎年ごとの利益に対する税金を支払わなければならないのです。
いっぽう、損益通算とは複数の損益を個々に評価するのではなく、まとめて算出(通算)する考えかたになります。
具体的にいますと、①海外FX口座 Aで 利益100万、②海外FX口座 Bで 損失 80万としましょう。前出の図表2をもとに算出すると、①では100万 X 15%=15万の納税、②では利益がないので納税なし。
つまり、合計で口座A分の15万が納税額でしょうか?。ここで損益通算という制度を適応します。
(①の利益100万)-(②の損失 80万)=20万
これが課税対象所得となります。20万に対する15%、つまり3万が納税額となります。このような考え方を損益通算と言うので覚えておいてください。
口座A、口座B、個々に税金算出ではなく合算した結果に対しての税率算出となります。
海外FXでの節税方法まとめ
では、海外FXにおいて収める税金をなんとか抑える手段はないのでしょうか。以下に海外FXにおける節税方法をまとめてみました。
ポイントは、「同じ総合課税(雑所得)扱いの所得同士であれば損益通算できる。」という点になります。(裏を返せば、雑所得「総合課税」ではない国内FXとの間では損益の通算はできないのです。 国内FX 海外FXを使い分けてる方はそれぞれ個別に申告を行うことになります。)
また、同じ雑所得(総合課税)同士とは具体的にいいますと、
・公的年金・私的年金
・原稿料・印税・講演料
・非営業用賃金の利子
・アフィリエイト収入・インターネットオークションの売り上げ
といった収入が該当します。
上記のような収入は海外FXと同じ雑所得扱いになるので損益通算が可能なのです。海外FX以外でこれらの総合課税扱いの収支で損失があれば損益通算対象として申告できるわけです。もちろん複数の海外FX口座をお持ちであれば、前章記載の様に合算での損益通算にて必要以上の納税をせずに済みます。
また、海外・国内を問わず、FXでは「1年間に得た利益から必要経費を引いた金額」が税金の対象になります。
必要経費とは、セミナー受講費用、交通費、書籍費用、トレード用パソコン、インタネット通信費などが該当しますので確定申告時に必要な領収書はしっかり管理しておきましょう。なお、これらは当然のこととしてトレードに使っていることを証明できることが必要です。トレードと関係ないネットサーフィン通信費やゲームで利用しているPC費用などは経費としては認められません。
これまで記載した税金とは、利益から必要経費を引いた額に対して課税されますので、この経費枠を有効に活用する事で節税対策になるのです。
海外FXで脱税は国内FXと同じく「バレます」
なぜ、海外FX口座情報でも税務署は把握できるの?
国内FXは損益が確定の都度税務署にも損益証明書のリストを送っています。したがって税務署は顧客ごとの税金の支払有無をチェックできるのでが、一方海外FXではこのような義務がない代わりに、銀行による海外送金、レジットカード、デビットカードによる入金など金融機関経由の取引履歴から税務署は顧客ごとの税金の支払有無をチェックできるのです。海外だからバレないということはあり得ません。
バレたら?
ごまかしが発覚した場合、不足分の税金を支払うのは当然のことですが、ペナルティとして延滞税などを支払わなければいけません。延滞税の考え方に関しては、https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/nofu-shomei/entaizei/entai.htmを参照ください。
脱税とみなされた場合、無申告加算税等が課せられます。仮装や隠ぺいなど明らかに悪質な場合には、重加算税が追徴でかかります。不足、つまり申告が過少だった場合は過少申告加算税として本税の10%。また悪質な行為(つまり脱税)と判断された場合は税額の35%が課されることになります。
脱税で悪質と判断されてしまった場合に重加算税がかけられてしまえば、それだけで利益がなくなるほどの税金が課税されるのです。こんなことにならない様、確定申告はかならず行ってください。海外FXの税金・確定申告の総評
過去分の損出を考慮した損益通算が出来ない、利益が一定額を超えると国内FXより多くの税金を収める必要あるなど、考えるとやっぱり、国内FXのほうがいいのでは?と思われるかもしれませんね。
でも、コンスタントに利益を出せる技術を手に入れてあれば年間通して収支がマイナスとはならないはずです、損失繰越の恩恵を受けるということは年間通して利益をだせなかったわけですから。
また、一定額の利益が出たら海外FXから国内FXヘ切り替えたとしても海外FXでのハイレバレッジ等メリット無く、国内FXの環境に於いても変わらず資産増が可能でしょうか。
税制面だけを見るとたしかに国内FXが有利とおもわれがちですが、トータルの収支を見た場合、国外国内どちらを使うかご自身の投資計画と照らし居合わせ活用いただければと思います。
カテゴリ:海外FX基本情報
2017年06月29日
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