ギリシャ国民デフォルトを望む。ユーロ圏崩壊への一歩か
国民投票の結果は緊縮案は否決、首相の勝利宣言も
「ギリシャ デフォルトまで秒読み。悪夢の銀行業務停止」の追記の様な形になりますので、先にギリシャ デフォルトまで秒読み。悪夢の銀行業務停止から読まれることをオススメします。
国民投票の結果は速報値なので多少変わる可能性はありますが、緊縮策に反対が、61.3%賛成が38.7%とギリシャのデフォルト問題は、よりデフォルトに近づいたと言えるでしょう。この国民投票に意味があったのかは疑問ですが、もしギリシャがデフォルトしてもロシア、そして中国が財政支援の打診をしているようです。ただし、ギリシャはユーロを使えなくなります。そうなると新通貨の発行となるわけですが、新通貨を発行するにしても問題は山積みです。
一度、債権不履行を起こしてしまうと通貨の信用は落ちきってしまいます。記憶に新しいのはジンバブエドルのハイパーインフレではないでしょうか。米ドル5ドルとの交換レートが約17.5京ジンバブエ・ドルになってしまったのは非常に有名な話で、もしギリシャが新通貨を発行しようとすると間違いなくハイパーインフレが起きるでしょう。借りたお金を返さないとなると信用が落ちるのは個人でのやりとりでも、国家間の関係でも同じものです。
ギリシャの国民投票は意味があったのか?
考えたくなるのはこの国民投票をして意味があったのか?と言うことなのですが、まったく意味はなかったと考えます。結果がどちらに転ぼうとも既得権益を守ろうとする人たちは多くいるものです。今を見るとそれでいいのかもしれませんが、将来的に見るとギリシャと言う国がなくなる未来が見えてしまいます。これは日本でも言える事です。決して日本の場合は年金が高いわけではないですが、生活保護や社会保障費を考えると少子高齢化の世の中では支えきれなくなります。
ギリシャでは国家公務員が多いのもあり、すでに支えきれなくなっているのです。ギリシャの国民もそれは理解しているはずなのですが、生活は壊したくないと言う事でしょう。無理なものは無理だと首相が言うのが一番ですが、今回の国民投票では反対が多数になりました。
ここで注目したいのが、チプラス首相の【勝利宣言】ですが、最終的に一体何に勝ったのでしょうか?私個人の意見としては反対多数によってギリシャはより難しい局面に突入したように思えます。選んだ首相が悪かったと言えばそれまでですが、理想だけでは政治も経済も円滑には進みません。ギリシャは今現在どちらも出来ていない状態です。はっきりと負けている状況での勝利宣言、非常に虚しく感じます。
中国、ロシアの影がせまっている
EU圏の反応も見ものではあるのですが、中国、もしくはロシアが融資した場合ギリシャの立ち位置がどうなるのかと言うのはEUにとって非常に厄介です。こういった面がユーロ圏の安全性と利便性を圧迫するのを恐れている一面もあり、EU側が強気な態度が取れない原因と言えるでしょう。
ギリシャが中国とロシアと近づいてしまうことはEU側としては避けたいのです。
EU側と再び交渉へ
EU側としてはギリシャの離脱を望んでいないのがよく分かるのが、EU側がこの国民投票の結果の中で再び交渉の席に着くと言うことでしょう。ギリシャに対してと言うよりも他のEU内の債務がある国への見捨てないと言うアピールとも見てとれます。
スペインとイタリアも苦しい状況が続いている中で、ギリシャをすぐに見捨ててしまっては、他のユーロ圏の国も離脱の流れになりかねない。心配ごとはEUにも沢山抱えているからこそ動けない。それが現状のギリシャのデフォルト問題が長引く原因です。
ただし、考えておきたいのはギリシャがEUから抜けるとしても自分たちの経済力では国を回せないと言うことです。緊縮策は本当に不要なのか考えるべき事は非常に多いと言えるでしょう。それに対して為替や株価の市場がユーロ圏だけでなく世界的にリスク回避の動きを続けています。この流れはどちらに動くにしろトレンドを形成する可能性が高いです。投資をするのであれば注意すべき所であり、狙い目です。状況をしっかりと見逃さないようにしておきましょう。
カテゴリ:ニュース
2015年07月06日
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