イタリア国民投票の影響で円高?オーストリア大統領選の行方
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▼目次
イタリアの国民投票は何故起こっているのか?
イタリアで国民投票が起こっている事をニュースになって始めて知った方もいるかもしれませんが、思っているよりも【大事】になっていると言う印象です。
メディア等ではドナルド・トランプが当選したことによる影響が大きいと言う事になっていて、実際にその影響はあったと言えるでしょう。
イタリアの国民投票の主な原因として考えられる要因は2つあると言われていてその2つとは
- ・ユーロ導入以降のイタリアの経済動向
- ・2010~2012年のユーロ危機の後にEUが適切な経済・銀行同盟を作れなかった
いずれの理由も、イタリアの経済面を圧迫、もはや切迫していると言ってもいい原因があるからです。更にはEU圏全体で移民問題というのが大きくのしかかっています。
そこでアメリカに登場したポピュリズム(大衆迎合主義)を掲げたドナルド・トランプが次期大統領となった。この結果がイタリアの国民投票に関係が無かったかと言われたら嘘になるでしょう。
市場の反応よりも内容は悪い
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比べると、イギリスのユーロ離脱から始まり、アメリカの大統領選トランプ勝利、そして今回のイタリアの国民投票での敗北。しかしながら、前者2つの事例に比べると為替の動きはそこまでありませんでした。
ですが、内容を考えると前者2つよりも悪いと思っていいかもしれません。EUへの不満を持つ政党が新たに一つ国を収めるかもしれないのです。
いくら景気が悪くなったといってもイタリアは小国が多いヨーロッパの中では大国になります。その国がユーロを抜けてしまうかもしれないのです。
つまりはユーロ圏のリスクが今以上に増大していると言うことになり、リスクを嫌い投資家の動きには十分に注意しておかなくてはならいのです。
12/5の市場が開いてからは、急激なリスク回避の動きは弱まっていますが、ギリシャ、イギリスにつぐヨーロッパのリスクと考えておいたほうがいいでしょう。
オーストリアは極右が敗北
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ヨーロッパではもう一つ大統領選が行われていて、こちらは極右政党が敗北。ここまで極右でユーロ離脱となっていたら大騒ぎになっていたでしょうね。米ドル/円やユーロを持ち直させた要因といってもいいかもしれません。
注意点として考えておきたいのは、この状況下でもトランプ相場は終わらないと言う経済アナリストがいる事です。リスクはあきらかに目の前にあるので、トランプ相場が終わらないと、はっきり言う事はリスクが高すぎます。
特に失言や暴言なども考えると、よりリスクが高く感じてしまうのが人というものです。だってあの「トランプ」なんですよ。
どうして円高になったのかを知っておこう
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最近(2016/12/05現在)の為替の状況を考えると基本的に日本が要因で円高となるよりも、他国の影響を受けての円高という傾向が多いのが事実です。
注目しておきたいのはドル/円に限った事ではありませんが、リスク回避の円高でありそれが弱まって円安。この状況を繰り返すのではないかと思いますが、欧州のリスクは表面化していないだけで、非常に大きくなっています。
ユーロ危機以来の危機が感覚的に早いですが、訪れる可能性は大いにありますので、注意しておきましょう。
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カテゴリ:ニュース
2017年06月29日
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