注目指標!1/11のトランプ次期米大統領の会見から結果まで
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経済指標の発表は多々あるが注目は25時から
日本時間の1/11 25時(12日午前1時)の米ドナルド・トランプ次期大統領の記者会見は要注目です。現在は115円台後半になってるドル/円も、指標の内容次第では大きく動く可能性を秘めています。特にこれまでトランプ相場で上がっている米株価などに注目しておきましょう。
あまりにも、アメリカに取って期待はずれな会見だった場合、即刻米株式は売られ、ドル安の流れが出来るはずです。
逆に期待感が強くなると、一気に118円台近くまでは戻る事も十分に予想されます。
今年に入ってからのトランプ大統領は強気で自動車業界に対してアメリカ国内回帰をほどこす発言をしており、国外からの輸入品には高い関税を掛けると言った発言をしています。円安のメリットとして輸出品が安く売れると言う面もありますが、メキシコ等の中米で作った自動車には高い関税を掛けるとまで発言しているのです。
これ以上の保護貿易に寄った発言があれば、ドル安/円高に勢いが出る可能性も十分に考えられます。
当選直後のように出来る大統領風情の発言が日本にとっては丁度いい
どんな発言をしても為替が動く可能性は秘めていますが、日本経済にとって望ましい流れは円安であるのは間違いないので、当選直後のような穏やかな会見を期待したいものです。
トランプ相場は通称トランポノミクス(トランプ+エコノミクス)から発生している為、独自の政策を打ち出しつつ、締めるところは締める内容であれば、世界の経済状況から見ても望ましいのではないかと考えられます。
注意しておきたい保護主義的発言
為替市場や、トレーダーが最も警戒しているのが、保護主義的な主張が前面に押し出された会見や政策となる事です。市場はトランプの保護主義的な発言に、敏感にネガティブな反応を見せていて、今回の会見でもそれが前面に出てしまうと、混乱した為替相場になる可能性があります。
そもそも、「保護主義とは何なのか?」こちらが疑問になるかと思いますが、コトバンクによりますと、
自由な貿易に反対し,貿易について何らかの制限を課すべきだという考え方。
その動機としては,自国の衰退産業や幼稚産業の保護,貿易収支上の関心などがある。
保護主義が有害であり,それが広がるのを防ぐべきであると世界的に明確に意識されるようになったのは,第2次世界大戦後である。
となっています。上記でも少し話に出ましたが、衰退した自動車産業の復活を目指す為に、世界経済から見ると有害だとされる政策を取ろうとしていると言う事になります。
市場やトレーダーが何故、ネガティブな反応を見せるのかがよくわかりますね。
期待と不安が入り交じるトランプ政権の第一歩
印象というのは存外大事なもので、未だに流れがあるトランプ相場を鑑みればわかる事ですが、公式の場での発言はそれだけ反響も、影響も大きなものになります。為替を動かす力はトレーダーの期待や不安だと言うことを考えながら会見を見ておくといいかもしれません。
トランプの会見で期待出来るのか、それとも不安に感じたのか、直感的なものかもしれませんが、それは他の誰かも同じように受け取ったと言う事なのです。
政策などがはっきりとするまでは、この起伏でドル/円の流れは左右されるかもしれませんね。
おまけ ポピュリズムについて知っておこう!
ドナルド・トランプが次期大統領になったのは、このポピュリズムというのが大きく影響していると言われています。この言葉はラテン語が語源で通常は「エリート主義の対比語」として使われる事が多い言葉です。日本語的に言えば、大衆主義や大衆迎合主義と訳すことが多くなります。
ちなみに、古代ローマでは「populus」は「ローマ市民権を持つ者」の意味であったともされ、都合のいい使われ方をする事もちらほらとあるようです。
今回注目したいのは、大衆迎合主義と言う名の「ポピュリズム」であり、これは、政治指導者が大衆の一面的な欲望に呼応、または迎合して大衆を操作する方法と言われ、今回の米選挙では、いわゆる貧困層に減税を謳い票を集めた事で、揶揄されていると考える事もできます。
つまりは、アメリカ内の貧富の差を逆手に取った戦略で選挙戦を勝ち抜いた、戦術や利を考えるのが上手い大統領ではないかと考えられるのです。
簡単におまけとしてポピュリズムに付いて解説しましたが如何だったでしょうか。アメリカの経済の行く末は世界経済の行く末と言っても、現段階では過言ではありません。知っておいて損にはならないと思います。
※追記※トランプ会見が終了した後の相場を見てみよう
結果は見事にトレーダーから見て期待はずれの会見だったと言う事になりましたね。会見としては昨年7月以来で、大統領選があった昨年11月以来久々の公の場での発言という事もあり注目が集まっていますが、一体どういった内容だったのでしょうか。簡単にですが要約すると、
- 「私は最も多くの雇用を創出する大統領になる」
- 「報道機関などのメディアとの対決姿勢を表面化」
- 「自らの事業の利益相反の問題について、息子へ譲渡する」
- 「日本、メキシコ、中国と良い取引ができていない!」
- 「メキシコとの国境に壁を作るね」
期待感の無さが素晴らしい事になりますね。今まで繰り返してきた事が主だった(より詳細にはなったか)事が1番の悪手だったと言えるでしょう。進展した考えに持っていけないという事もさる事ながら、「メキシコ国境に壁って…」誰もが疑問に思う発言まであるのがトランプらしさなのかもしれません。そもそも、人件費の高い米国で作ったコストの高い車を誰が買うのか?等、大事な部分の話は全くありませんでした。
これでは投資家の過剰な期待だったと言われてもおかしくありません。更に発言内容が悪く、「薬が高い」などピンポイントでの攻撃が多かったので、其の度に薬品系の会社の株価が下がったりと注目度の高さは伺える会見だったのですが、自国の経済を見事に混乱させてもいました。ですが、改めて考えてみると本当に自分の国の大統領になってもらいたいと思えるような人物かと言われると、疑問は残ります。
まだ就任前の会見だけで判断するのは尚早かもしれませんが、経済的な期待感は大きく下がったと言える会見でした。
カテゴリ:ニュース
2017年06月29日
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