フランスの選挙も目前でテロ。EU離脱はあり得るのか?
▼目次
試されるEU。ユーロの価値は?
EUという存在が試されています。EUの意義やメリットは離脱に傾いているどの国でも受け入れたいもので、問題はEU内外からやってくる難民や移民です。
イギリスではその不満な部分が貯まり、国民選挙でEU離脱という結果が出ました。こうなってくると勢いを増してくるのが離脱を考える人達です。オランダの選挙ではそうはなりませんでしたが、テロの被害国であり、自由で革命的な国でありながら、どこか差別的なフランスでは移民問題は尚更深刻なのです。
イギリスについでフランスも離脱となると、EUは少し困ったことになります。先進国の数が少なくなってしまうのです。ギリシャ危機などに見る国の債務などはEUが負担すると言う形にはなっていますが、ドイツやフランス、スイス、イタリア、イギリス等が分担して賄っています。
ヨーロッパが他の地域とくらべて先進的なイメージがあっても、貧富の差はかなり大きいです。それだけでも先進国で資金力がある国がEUから抜けてしまうのは、危機的な状況となる可能性が高くなります。
フランス大統領選の争点はどの派閥が勝つのか?
最近の欧州圏では、極右であったり極左であったり極端な政党が支持を集める傾向もあります。注目は【誰が勝つのか?】なのですが、特に世界から視線を集めているのが、右派のマリーヌ・ルペンです。反EU、移民反対などを唱える右派政党国民戦線の創始者の娘であり、現党首である事から彼女がどれほどの得票数を集めるのか、さらに大統領になるのかが注目されています。
オランダの大統領選挙では極右政党は選挙で破れてしまいましたが、【フランス】だからこそ、右派が勝つ未来も十分に想定出来るのです。
状況だけを考えると混迷しているEUなのですがユーロの価値は一体どうなってしまうのでしょうか。
2度のギリシャ危機などもあり、やはりユーロの価値は落ちてきています。ここでEU崩壊が現実味を帯びれば、更に価値の低下が進む事になるやもしれません。
ISとフランス テロの標的になるのは何故?
最近でもフランスで銃の乱射と言うテロが起こり、ISが犯行声明を出していたのですが、それ以前にもパリ同時多発テロ(死者132名負傷者300名以上)など、ISからテロの標的になりやすい印象があります。
【何か理由があるのか?】気になる方も多いでしょう。これは過去から現代にかけてのフランスの対外戦争、対外外交が問題となっていると言われています。そもそも第一次世界大戦後にフランスは中東シリア、そしてレバノンを支配下に置いていて、現在ではイラクへの軍隊派遣、米国率いる対ISIS有志連合空爆への参加、対ISIS作戦への支持としてペルシャ湾への航空母艦派遣など、積極的にIS壊滅に向け攻撃に参加してるのが理由に挙げられるのではないかと考えられます。
フランス国内でもイスラム教徒の女性が顔や全身を覆うブルカの公共の場での着用禁止や、シャルリー・エブドによる預言者ムハンマドの風刺画など、言動の自由を履き違えているかのような振る舞いが、ISのみならずイスラム圏の国から反感を買っているのです。
更に悪循環が続き、こうした今までの行いに反感を持ったフランス国内の若いイスラム教徒がISの戦闘員としてシリアに向かったりテロを起こしたりしているのです。テロ自体は決して許されるものではありませんが、第一次大戦から始まる様々な要因があるからこそ、今フランスはテロの標的となっているのではないでしょうか。
考えたいのはEUから離脱した際に、この問題をフランス一国で抑え切れるのか?少し疑問は残ります。
EU離脱の可能性がある限りユーロのリスクはこれからも継続する
EUのリスクは通貨であるユーロのリスクだと考える事も出来るので、フランスの大統領選挙を前に、トレーダーがリスクの回避に動いてもおかしくありません。
フランスの大統領選挙はリスクの一つではありますが、日程を覚えておいて、動きを見る事は利益を得るためにも重要になって来そうです。ここで、フランスの大統領選挙日程を紹介しておきます。
■4月23日(日) 第一回投票(日本時間16時~26時)
■5月7日(日) 第二回投票(日本時間16時~26時)
■5月11日(木)憲法院は最終結果を正式公表
日程こそ長く感じますが、アメリカの大統領選挙のように、わかりにくいものでは無いのでその辺りは安心して為替を見ている事ができます。
選挙が差し迫っていく中、リスク回避の円買いの動きは強まっていますが、北朝鮮情勢の悪化により、円買いが進むかどうかは不透明な部分が多いのが現状です。
狙い目であるのは変わりありませんが、無理に投資をするものではなく、タイミングを見てと言う風になりそうです。特にバイナリーオプションでは短期の取引があるので、動いてから投資をして間に合います。ですが、そのタイミングを予想しておかないと見逃してしまう事もあるので、しっかりとチェックしておきましょう。
※追記※決戦投票はマリーヌ・ルペンの圧倒的不利
現在一時投票が終わり、5月の決戦投票へと向かっていますが、圧倒的有利なのは対立候補のエマニュエル・マクロンが60%近い得票を得ており今の所は安泰と考えれられます。EUもこれで少しは安堵しているのかもしれませんが、トランプ大統領がアメリカで当選した事を考えても、油断は禁物です。
とは言え、決戦投票ではルペンが党首をする「国民戦線」以外の党が、エマニュエル・マクロンを支持すると言われているので、EU的にも、為替的にも「波乱」を期待するのは難しそうです。
カテゴリ:ニュース
2017年06月29日
New Comment