人民元が主要通貨に!?日本が注意すべき点と為替の動きは?
SDR(特別引き出し権)に人民元採用!
段階としてはまだ早いと考えられる方も多いのではないかと思いますが中国の人民元が主要通貨入りを果たしたと言ってもいいでしょう。しかしながら経過は1年ほど観察したほうが良いというのは誰もが考えている事でしょう。しかしながら、SDRになったとして、どういったメリットがあるのか?主要通貨だと何が違うのか?多少は知っていても詳しく考えた事がない人は多いのではないかと思います。
実際に私自身もこうして為替の動きとして警戒すべきかどうかを思案するまでは、全く知らなかった事です。主要通貨入りしたということはつまりは、基軸通貨として認められる可能性も秘めていると言う事です。基軸通貨国になると、為替変動のリスクを負う事なく、自国通貨で海外から物やサービスを買える利点と言えます。しかしながら、世界経済の安定を考えた金融政策や財政の管理を行う必要があり、その透明性が求められます。
実際に、中国の人民元は世界第三位の国際通貨の座を得ています。国内の人口分だけでも非常に多いので通貨の発行量だけ考えても大きな規模であるのは明確です。
しかしながら、それだけの通貨量がありながら、まだ早いのではないかと思われるのには信頼性であると言われています。政略的な背景をみても、先日の中国株暴落の際に行ったように政府手動で頻繁に為替の操作を行っている事実もありますし。中国国内の市場自体がそこまでそこまで発達しているのかと言う疑問も残ります。
大きなしこりとなる人民元の偽札問題
大きく信頼を失う事になり兼ねないのは偽札が流通してしまう可能性です。現状偽札工場の噂もあり人民元が正式に発行されたものとそうでないものをしっかりと見分ける事が出来るのか、また偽札に対しての対策、法整備などが迅速に行われるのか、疑問が残る部分が多い事が原因でしょう。
しっかりと改善されるかどうか1年ほどは様子を見なければいけないと言う意見もあるほど慎重になっている方も多いようです。IMF幹部はドルが支配的な現行システムが、より多極的になる可能性を開いた」と述べたそうですが、少しばかり焦りが見え隠れする決定である事は間違いないでしょう。
そもそもIMFが偽札製造の可能性のある通貨をSDRとして考えるのは非常に危険な発想ともとれます。偽札で外貨を得られてしまっては信用を失うどころではないので、中国側としても取り締まりは一層厳しくなるのではないでしょうか。
特別引き出し権(SDR)ってなんだろう
基軸通貨を中国が目指しているのは理解してもらえたかとは思いますが、そもそも今回採用された特別引き出し権とは何なのか?と言う疑問が残ります。これは1969年にまだまだ国際資本市場が発達していなかった頃、その頃から価値の高かった米ドルや金の補完を目的にINF創設した準備資産です。
5年毎に通貨の見直しがされ前回2010年には人民元は採用されませんでしたが、2015年の見直しで採用となりました。ここで考えたいのは、いきなり採用されたわけでなく、しっかりと根回しをするだけの時間と、力が中国にはあったと言う事になります。
ちなみに配分は、IMFへの出資比率に応じて加盟国に配分されるので出資額も特別引き出し権を得る条件の中には入っているのでしょう。満たせるだけの経済力が中国にはあると考える事も可能です。
為替への影響はどの程度考えられるのか?
1番大事な事と言っても過言ではないのが為替への影響はどこまで考えられるのかと言う事です。現在アジア圏でも日本円の影響力はそれほど大きくないからこそ、ドルの流通量に比べても国内中心とは言え人民元の流通量は侮れません。更には2008年のリーマン・ショック以降中国はシンガポールや欧州諸国との金融強力は強化。企業や投資家が中国に対して資金を出しやすい環境を整えてきました。この準備が非常に良かったのか実際に人民元での決済というのは徐々にですが増えてきています。
そうなるといずれは円の存在感は薄れ、人民元がアジアの中で最も存在感のある貨幣となるでしょう。もちろん国や経済の規模を考えると遅かれ早かれ人民元の存在感は円を抜きアメリカに迫る事も予測できる事ではあります。もちろん可能性の一つとしてではあり、上記でもお話した偽札への対策や法整備など問題点はありますが、為替の変動には期待できるのではないでしょうか、とはいえ現状では米ドルの影響力が1番あり、すぐさまその体制が変わるというのは考え難いです。
注意すべき点としては米と中国は政治的にも軍事的にも緊張感を高くしていっているのでそちらを警戒したほうが現状は動く為替を見ることができるでしょう。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の動きに違いも
アジアインフラ投資銀行の今後の活動もアジア圏内では非常に行いやすくなる事になります。そして、人民元の地位が日本円よりも優位になることで、為替変動のリスクや両替のコストが減る中国企業との競争に日本勢が不利になる恐れもあるとも考えられ、日本としても様々な面で強化、改善するべき点が挙げられていくでしょう。しかしながら、これは日本も進むべきチャンスなのではないかと考えられます。
AIIBは人民元と同じで透明性のなさが指摘されているので、問題点がかならず出てくるはずで、円の優位性がすぐさま変わる事はありません。その間に日本も決済機関増やしたりや告知などを行っていく必要があるのではないかと考えられます。必要以上に悲観する必要はありませんが、楽観はできない状況である事は理解しておいたほうがいいのではないかと考えます。
アジアで競争が産まれることは悪いことではなく、これを期にアジア圏の経済成長に繋がり、日本も同様にその流れにのり経済発展をしていければいいですね。
カテゴリ:ニュース
2017年06月29日
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