オリンピックは相場に影響する?過去の事例を見て相場を予測
この記事に書かれている内容
- 低迷相場となりそうなので今は動くべきではない
- オリンピック開催は円安ドル高が濃厚
コロナウイルスの影響により、今回の東京オリンピックが2021年に延期となりました。
オリンピックは開催国の景気を左右するイベントですので、どのように相場に影響するのか気になるところです。
今回はオリンピックが相場にどう影響するのか、過去の事例を見て相場を予測しましょう。
もくじ
オリンピックと経済の関係性
そもそもオリンピックと経済の関係について、あまりピンと来ていない方もいると思いますので、簡単に説明していきましょう。
オリンピックは会場建設、インフラの整備に伴う雇用の増加からグッズ販売、さらに観戦に訪れた人たちが飲食店、宿泊施設などにお金を使うので経済的効果があります。
さらに、開催国には海外の方々も来るので、さらに支払われる金額が多くなり、経済の動きが活発になると言えるでしょう。
以上の理由から、オリンピックが開催されると経済も注目されるというわけです。
過去のオリンピック開催後の経済の動き
今回のオリンピックではコロナウイルスのこともあり、経済にも影響がでています。
正直オリンピックを開催したとしても、景気はあまりよくないのではと気になるところです。
そこで他国でのオリンピック開催時には、景気にどんな動きがあったのか、過去のオリンピック開催前後の相場の動きを見てみましょう。
他国でのオリンピックでの景気はどうだったのか
オリンピックの開催前から開催中は経済が回りやすいです。
開催後になるとやはり一つの大きな催しが終わるわけですから、自然と経済も下押しになりやすいと言えます。
ですが、過去に開催されたオリンピックでは世界的に景気が低迷した時期と重なったことにより、相場が落ち込んでしまったこともありました。
開催国 | 相場が落ち込んだ原因 |
---|---|
アテネオリンピック(2004年8月13日~8月29日) | 不動産投資の激減が要因とされ、オリンピック需要の建設ラッシュが終了。その反動から大きく景気が減速しました。 |
北京オリンピック(2008年8月8日~8月24日) | 北京オリンピックの開催後に「リーマンショック」がありました。これは世界的に景気低迷となったこともあり、中国のみが経済に影響があったというわけではありません。ですが、経済が上昇するオリンピック後にリーマンショックがあったことにより、経済が下がったということです。 |
ロンドンオリンピック(2012年7月27日~8月12日) | 財政的な負担を極力抑えましたが、2008年のリーマンショックにより、一時期大きな株価低迷、景気減速と影響がありました。オリンピック後はリーマンショックからの立ち直りにより、世界的に景気が拡大、影響はあったものの最小限に済んでいます。 |
また、シドニーオリンピック(2000年9月15日~10月1日)開催後に「ITバブル崩壊」が起こりましたが、オリンピックの準備中から開催後まで、株価や経済全体が上昇基調となっているという例外もあります。
ITバブルで世界の景気が高騰していた時期と重なったことにより、ITバブル崩壊の影響を資源国であるオーストラリアはさほど受けませんでした。
よって相場にも大きな影響がなかったとのことです。開催国によっては、景気によって左右されないこともあるようですね。
前回の東京オリンピックはどうだったのか
以上が、他国のオリンピック開催後に起きた相場の動きですが、前回あった日本のオリンピックはどうなのでしょうか。
前回といっても、昭和39年のオリンピックになるのですが、この時初めてオリンピックが日本で開催されたこともあり、盛り上がったのは言うまでもないでしょう。
さて、この時の東京オリンピック開催後の経済を見てみると、開催後から昭和40年にかけて、経済が落ち込んでいました。
「昭和40年不況」と呼ばれる経済危機です。
昭和40年不況とは
不況のきっかけは、オリンピック開幕と金融引き締め。
この不況は「証券不況」とも呼ばれています。企業倒産の多発、そして企業収益率の低下、株価の不振とともに、大手証券会社が軒並み赤字となったことによる不況です。
オリンピック開催前は、日本は高度経済成長期でした。オリンピック景気とも言われており、景気が上向きだった中に起きた不況。
そこから1年で収束したのは、当時の日本が成長期だったため、景気回復は早かったようです。
オリンピック後、日本の景気はどうなる?
オリンピック開催後の景気が日本を含め、他国も景気の低迷が重なってしまっています。
では、今回の東京オリンピック開催後の日本の景気はどうなるのか。
オリンピック延期、経済にどう影響するのか
コロナウイルスの影響により、東京オリンピックが2021年に延期になりました。
日本でも感染者が出ているなか、海外選手やオリンピックを観戦する人たちを入国させるのも難しい状況なので、2020年の開催はとてもできるものではありません。
もし、オリンピックが中止となった場合は経済損失は7.8兆円との見方、延期の場合は6000億円超えとの見方があったため、中止に比べ延期という判断は、中止よりまだ良い判断かと思います。
とはいえ、決して相場がよくなるわけではありません。
オリンピック延長について今後投資家はどう動くべきなのか、相場を予想する必要があります。
結論をいうと、リーマンショックと似た、またはそれ以上の低迷相場となりそうですので、今は動くべきではないでしょう。
為替は円安ドル高が濃厚?
今動くべきではないのは、コロナウイルスの影響により世界経済が停滞するというリスクが高まっているためです。
不測の事態に備え、主要通貨のドルを手元に確保する投資家が多いです。
そのため円安ドル高が進んでいます。しかし、その影響がなくともオリンピックが開催される国は株が買われやすいため、通貨安になりやすいです。
よって、コロナウイルスの影響がなくても東京オリンピック開催中、そして開催後も円安ドル高が濃厚だと言えます。
下手に動かず、投資家は経済ニュースともに、オリンピック関連のニュースもチェックして、相場の様子を見ておいた方がいいでしょう。
カテゴリ:ニュース
2020年04月03日
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