マイナンバー制度の成功例!スウェーデンの「PIN」とは?
消費税還付にマイナンバーを有効利用か?
スウェーデンのマイナンバー制度を知る前に、少し話題になっているのが、マイナンバーで「消費税を還付する」というニュースです。マイナンバーを広めるという事についてなら比較的に有効な手段ではないかと思います。しかしながらマイナンバーの安全性、そして漏洩をした際の罰則が決まっていない間に、出る話ではないのではないかと考えられます。マイナンバーは安心して使えるものなのか?まだほとんどの人達の意識は、マイナンバーを利用した際の安心感に注目されていて、利用方法は二の次なのではないでしょうか?
これでは国側が還付する気がないのではないかと考えてしまう人も増えてしまうでしょう。何にしても説明不足であるのは間違いありません。ですが、実際にマイナンバーを使えば還付した金額等を管理しやすいのも事実です。報道の仕方もあまりに偏ったものになっているのは気になる所ではあります。
増税の見送りが出来ないからこその還付
高齢者の増加を考えるとこれから年金受給者は更に増え、はっきり言うと現役で働いている世代だけでは賄えなくなります。早かれ遅かれ必ず増税はあると考えた方がいいのかもしれません。しかしながら、景気が好転しそうな時に増税をする。景気を回復させなくてはいけない中で増税は深刻なダメージを与えます。それでも消費税増税を進めているのはどうしてなのか?官僚や財務省がと言う現実逃避の発言をやめ、平均寿命が格段に延びたので社会保障費も莫大なものになるでしょう。
そこを賄うにはどうしたらいいのか?やはり消費税しかまかなえる可能性はないでしょう。他の社会保障が進んでいる国をみると、負担率は日本よりも高い国は多いです。中でもスウェーデンは経済成長をしつつ、高い福祉を実現している所に注目しておきたいです。
スウェーデンもマイナンバー制度で有名な国
さて、ようやく本題なのですが、社会保障が高く、高齢化社会を乗り切って尚且つ経済成長を遂げているのがスウェーデンなのですが、マイナンバー制度(PIN)を導入している国として有名です。「アメリカを真似して」と取り上げられていますが、どちらかというと、こちらをモデルにしているのではないでしょうか。
私の意見になりますが、スウェーデンと日本の状況は近い部分もあるので、アメリカに似せたと言うよりもスウェーデンのPINにより近付けるべきでしょう。もちろんスウェーデンは個人負担は日本よりも大きいです。高齢化社会になってしまうと、どうしても個人での負担は大きくなってしまうのでやむを得ないと考える事もできます。しかしながら日本の社会保障、そしてマイナンバー制度が目指すべきはやはりスウェーデンなのではないでしょうか。
スウェーデンのマイナンバー「PIN」とは?
根本が違っていては、取り入れることは難しいのですが、非常に似た形になります。以下は「北欧モデル」日本経済新聞出版社刊と、ダイヤモンド・オンラインを参考にさせて頂いておりますが、PINは10桁の数字から成っており、最初の6桁が生年月日、ハイフンの後の3桁は生誕番号と呼ばれていて、男性が奇数で女性が偶数となっています。最後の1桁は「チェック・ディジェット」と呼ばれる数字で形成され、同じ誕生日の人に任意の4桁を割り振ることで、ごく簡単にどこにも同一番号がないPINを作る事が可能になるわけです。
基本的な形として考えると日本と同じ部分は比較的多くなります。スウェーデンはこれを子供が出生した時に病院から国税局へと報告させ、実際に窓口で申請をしなくとも発行され、子育て支援の給付が受けられるようです。更に便利なのが、「プレプリント方式」と呼ばれる確定申告の方式で、これについては画期的に確定申告が楽になります。予め所得税などを試算されていて、間違いがなければサインをして返送すれば確定申告が終わるというものです。
日本がマイナンバー制度で民間銀行と連動したい理由として考えられるのが、スウェーデンのオレンジレターと呼ばれるものが非常に有効に機能していると言えるからではないでしょうか。このレターは年に一回送られてきて、年金を一元化して見る事が出来るのです。民間の金融機関と連動する狙いとしては何も税金の為だけと考えるのはおかしい事です。
では、誰がそういった間違った思考へと誘導しているのでしょうか?その辺りを考えていかないといけないかもしれませんね。個人で少し調べれば出てくる事をメディアがわからないはずがないので、情報を公平に与えると言う意味では今のメディアに信頼感は皆無と言ってもいいかもしれません。偏った情報で混乱を招きそこに何をメディアが期待しているのかも見抜く必要があるでしょう。
不安になるのは仕方がない事
導入前になって不安になることは仕方のないことです。しかしスウェーデンのような正しい使い方をされるのならマイナンバー制度も悪いものではないと考える事も出来ます。政府側の説明も足りませんし、マスメディアの偏った報道にもうんざりさせられますが、スウェーデンの消費税が非常に高いの事にも触れておきましょう。
スウェーデンの社会保障は世界一と言えます。そして個人が負担する標準消費税は25%です。食品は約12%と生活と密になる部分については、標準と比べると比較的低い水準になっています。しかしながら、これをこのまま日本に当てはめるのは酷です。
スウェーデンの場合は社会保障の恩恵が身近にあり感じる事が出来るからこそ、国民は高い税でも納得するのです。例えば、ベビーカーを押している人は無料で公共バスに乗れる等、身近に自分の払った税が有効に使われている事を知る出来事がある。ここが重要なのではないでしょうか。
日本人が自分の税が有効に使われているのか不安になる理由は、それを実感するのが緊急時だけであるからではないかと思います。例えば、仕事中に怪我をしてしまった、仕事がなくなってしまった等、手厚い社会保障を知ることが出来るのは緊急事態のみになります。根本的に違う部分があるからこそ、不安になるのは当然です。そして、一番の問題はマイナンバー制度がどんな方向に進むのかが見えていないからこそ、不安になるのです。
日本の目指すマイナンバー制度は?
スウェーデンのマイナンバー制度について少し説明をさせてもらいましたが、日本のマイナンバー制度が何処に向かうのかは、まだはっきりとはわかりません。
願わくば、日本のマイナンバーもスウェーデンのような、マイナンバー制度になってくれる事を期待したいところです。高齢者だけでなく、子供にも有効で、上手くいけば悪い制度ではありません。どうしても取り上げられる面が安全面など危険な部分だけになりがちですが、上手くいけば成功する可能性もあるのを知っておいてください。
もちろん、国の根本が違うというのはありますが、改革をするのなら理想を持ってするべきです。それを政府が明確にしないからこそ、不安になる。正に悪循環に陥っているのが日本の現状なのかもしれません。日本のマイナンバー制度はそこまで考えられているのか?税の為だけの制度ではないのか、こういった辺りの議論が国会で必要ではないのでしょうか?
カテゴリ:ニュース
2017年06月26日
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