VWの問題はユーロ経済への影響も?株価には既に影響が
VW(フォルクスワーゲン)は何故問題だったのか?
ご存知の方も多いかもしれませんが、VWの問題を改めて振り返って、欧州の経済のあり方、そしてドイツ経済のあり方さえも変えてしまうかもしれません。それぐらいに大きな事であったのは確かですし、これによりVWが再建不能とまではいきませんが、世界的なシェアを大きく減らしてしまう可能性は十分にあります。1100万台規模のリコールとなるとダメージは計り知れないものになるでしょう。しかしながら今の所、為替市場は冷静です。
そもそも、発覚した不正と言うのが、「ディーゼル車排ガス不正問題」であり、こちらがアメリカの基準を上回るものであった事が発覚したのが要因となります。ダイナモメーターと呼ばれる装置で車両が検査を受ける際に、排ガス浄化機能が働くと言った不正なのですが、遡ると07年にはソフトウェア開発にあたっていたボッシュがVW側に警告を書面にて警告を発していたとあります。内容としては「使用は開発時に限定したものとする」との内容との事なのですが、すでにこの時点でソフトウェアは開発されていて、更に「規制逃れのためにソフトを市販車に搭載するのは違法」という警告も送られていた事が発覚しています。
更には、2011年にVW社員の技術者が「排ガス処理に違法性がある」と指摘されていた事実もわかっており、これにより、2007年には既にソフトは開発されており2011年には導入されていたのは確実でしょう。更には、NGOの「ドイツ環境支援協会」が11年2月頃に不正を独運輸省に伝えているとの報道も出ています。
問題自体はアメリカの基準値を上回ることで発覚しているのですが、通常走行時の窒素酸化物(NOx)排出量は、欧州基準の7倍以上と欧州での販売も規則違反であることが分かっています。世界保健機関(WHO)が数年前にディーゼル車の排気に発がん性物質を認めたことで、英国とフランスは規制強化に動くなどすでにディーゼル車への人気に陰りが出始めていた所への打撃となったわけです。ちなみに現在欧州でのディーゼル車は市場の半数を占めていて、影響がどれだけ大きくなるかを考えると足が竦む額を考えてしまわなくてはいけません。
今回問題だったのは不正なソフトで試験だけを通過し、更には発がん性のあるガスを欧州基準で7倍以上も出しているにもかかわらず、それを国家絡みで隠して販売していた可能性があると言う事でしょう。そしてその行為をしていたのが世界で1位といわれるVW(フォルクスワーゲン)社だったというのが通貨にまで影響を与える事態になっています。
簡単に事の顛末を説明させていただきましたが、この中でも重要なのは、やはり上層部は知っていて販売している事。そしてその上層部に国家が含まれている可能性。1100万台ものリコールをどのようにして行うかではないかと思います。
国が知っていたのなら通貨の信用は下がる
ドイツはつい数日前までは非常にユーロ圏の中では非常に景気は良い国だったのですが、今回の件で失うものは大きいのかもしれません。11年2月に独運輸省の担当者と面会し、不正を伝えたと報道している新聞にあるように、国家が関わっている可能性があると、通貨、そしてその国の産業に対しての信頼性の低下が現れるでしょう。
不正を知っていて、それを許す国、その国の産業を100%信じる事は誰しもが出来なくなるはずです。そうなると産業は決定的なダメージを受けるでしょう。あくまでこれは最悪を想定した際の事ではありますが、それでも現実味がある話だと考えられます。
実際にあるユーロの価値は下がっている?
ここで注目したいのが為替はどの様な動きをしているかです。こうした重大な動きがあるなら為替は動きを見せるはずです。バイナリーオプションでの取引を狙うならこうしたポイント、世界的な動きを逃すわけにはいきません。実際にまずは株価はどう動いたのかを見てみましょう。
発覚は9月でしたね、株価を見るといつ発覚したのかがわかります。次にユーロの方を見てみましょう。
※画像はbloomberg.co.jp様、YAHOOファイナンス様のものを利用させて頂いております。
まだ動きが曖昧なのがわかるかと思います。これは全てがわかり結果が出たからではないと言うこともありますが。ドイツ政府が知っていたとの情報はメディアの域を出ていません。国が発表した時に動きはあるのではないかと考えます。国を代表する会社の不祥事でも通貨の価値は変わらないのか、これはユーロが特殊な状況であると言うのはあるでしょう。複数の国家の融合体であるので大きな動きは出なかった、またはドイツの自動車会社はフォルクスワーゲンだけではない事も影響しているのかもしれません。様々な要因が考えられて動かなかったのか等考えるべきことは沢山ありますが、リコールや賠償金等を考えると数兆円は掛かると言われているのにも関わらず全く影響がないかと言われるとそうではないと言えるのではないでしょうか。
今後の動きに注目しておきましょう。
まだまだ分かっている事は少ないですが、わかりしだい追記をしていきます。
カテゴリ:ニュース
2017年06月29日
New Comment